| 「新たな公」について |
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| 平成19年8月10日 上村 洋司 |
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| 昭和25年に制定された国土総合開発法が国土形成計画法と改名され、全国総合開発計画 |
| に代わる国土形成計画が平成19年中頃目途に改革されていることを知った。「開発」の |
| 名称が消えたのは国土交通省河川局や水資源機構のみでなくもっともっと基幹的なところ |
| にあった。 |
| 改革のポイントとしては次の2点が上げられている。 |
| まずは、国と地方の協働によるビジョンづくり、即ち国民の意見を広く反映させる仕組み |
| をとるとされている。 その一つとして国土交通省のホームページに「インターネットで作 |
| る国土計画」なるコーナーも作られており、一般の人が審議経過を知り、意見を自由に述べ |
| ることができる。 これもまた驚き、世の中はここまで来ているのですね。 |
| 二つ目は、開発中心からの転換、成熟社会型の計画を指向するとされている。 |
| そして、計画のねらいと戦略的取組として次の5点が上げられている。 |
| @ シームレスアジアの実現 |
| A 持続可能な地域の形成 |
| B 災害に強いしなやかな国土の形成 |
| C 美しい国土の管理と継承 |
| D「新たな公」による地域づくり(横断的視点) |
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| 「新たな公」なる言葉が大変新鮮に聞こえそして世間はもうここまで来ているのかとまた |
| また驚きを感ずる。 |
| ちなみに、「新たな公」による地域づくりの具体イメージとして住民やNPO等による簡 |
| 単な清掃活動や美化活動に依存した施設管理や地域住民と協働による地域づくりや市町村 |
| バスやNPOによるボランティア有償運送による新しい交通システム等が議論されている。 |
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| 1970年代の英国において「グラウンドワーク」が生まれた。 |
| 直訳すると「グラウンド(生活の場)」+「ワーク(創造)」とのこと。 |
| 当時の都市近郊の農村地域では環境汚染と景観破壊が進展し、大きな社会問題となってい |
| た。 このような事態を地域住民、行政、企業のパートナーシップと地域の専門組織(トラ |
| スト)の活動によって改善しようとする地域の環境改善活動がその発祥である。 |
| 1985年にはこれらの地域活動を支援するためにグランドワーク事業団が設立される |
| など年々発展をとげており、平成7年現在、大変古いデータであるが、英国内36地区に5 |
| 00人のスタッフが年間4万人のボランティアの協力を得て3,000件のプロジェクトを |
| 展開しているとのことである。 |
| 我が国においても(財)日本グランドワーク協会が平成7年に発足し、グランドワーク |
| 島、グランドワーク東海、グランドワーク西鬼怒、北海道グランドワークが特定非営利活動 |
| 法人即ちNPOとして発足するなど全国に展開されてきている。 |
| 福岡県では福岡県の職員が中心となって平成14年にNPOグランドワーク福岡を立ち |
| 上げ、環境改善、環境教育、福祉啓発、国際交流の四本柱掲げて多くの実績を積み重ねてい |
| る。 |
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| 平成10年の特定非営利活動促進法の成立以来、特定非営利活動法人(以下、「NPO」 |
| と略す。)の設立が年々盛んになっている。 |
| 平成18年4月末現在の日本全国での認証数は28,872件にも達しており、福岡県で |
| は1,018件、九州8県の合計では3,191件に達している。 |
| 福岡県内では久留米の「NPO筑後川流域連携倶楽部」や福岡市の「はかた夢松原の会」 |
| や「NPO南畑ダムをためる会」が立派な実績を積み重ねてきています。 |
| ちなみに、目的とする活動の種類を法律に規定された17の目的に対応して複数回答あり |
| としてベスト5を選出すると以下の通りである。 |
| @ 保険・医療又は福祉の増進を図る活動 |
| A 社会教育の推進を図る活動 |
| B まちづくりの推進を図る活動 |
| C 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動 |
| D 環境の保全を図る活動 |
| 少子高齢化の進行、団塊の世代の卒業による老人パワーの増加によってこの傾向は益々高 |
| められるに違いない。 |
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| 日本は近年、経済発展、都市部への人口集中、核家族化、隣組の崩壊、水防組織の弱体化、 |
| 権利意識の過剰な高まり、義務や責任意識の劣化等々によって国や地方公共団体等々「公」 |
| への依存意識ばかりが過剰に高くなってきている。 |
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| 翻ってみれば、昔の日本には「普請」というすばらしい制度があった。 |
| もともとは禅宗の言葉で、寺の建造等の労役に共同で従事するの意であったが、発展して |
| 「川普請」、「道普請」等々の現在の公共事業の一端を自ら担う制度まで拡大されたという |
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| 国及び地方の長期債務残高が約8百兆円もの膨大な額となっている。 少子高齢化は益々 |
| 進行しており社会保障関係費は一般予算の25%を越える段階にさしかかっている。 |
| とにかく自分たちでできることをやろうという意識と実践が何より必要のようですね。 |
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| 参考 |
| (財)ダム水源地環境整備センターが支援する平成19年度ダム水源地サポート事業が発 |
| 表されました。 平成12年の発足時からの分と併せて付表に示します。 |
| 全国のダム所在地でのNPO等の活動状況がよく分かります。 |
| 活動種別は筆者の整理です。 |
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ダム水源地
サポート事業の |
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