水は命の源

筑後川の看板(1)

              −ここは、水没します−

 表示というのは、ある人(法人等を含めて)が、不特定多数の人たちに対し、ある行為や意思を伝えることである。その手段の一つとして、看板や標識であったりする。筑後川流域をあっちこっち歩くと、そのような表示に出くわす。日頃、なんとなく見過ごしている表示。それらを、歩いて再認識してみたい。
この二つの看板は、有明河口から23km、筑後大堰の直上流左岸上鶴駐車場と、河口から28kmクルメ大橋直下流右岸の駐車場に設置されている。「ここは水没します」の警告である。実際に平成21年6月30日、7月26日の大出水によって、文字通り水没した。
 この時の流量は約3000トン/sであった。九州電力叶力担当者がいうには、「最近、降るときドカッと降るし、降らないときはなかなか降らない。合計すると、毎年、年間雨量でほとんど変わらないのだが。水の管理が難しいなってきた。」地球温暖化の影響であろう。




                             (H21.11.23)    古賀河川図書館                                    ページTOPへ

筑後川の看板(2)

              −釣りは日の出から日没までです−

 筑後川を散策するといろいろな人と出会う。犬を連れた人、ジョキングをする人、サッカーに興じているグル−プ、仲間とトランペットを吹いている人、カーヌを漕いでいる人、ゴルフを楽しんでいる人、ゴミを拾っている人。また、川面に糸をたらしている人も多い。釣りは、魚がかかったときの、あの手ごたえがたまらないという。


 筑後川にはたくさんの魚が生息する。上流地域には山女、鮎、中流にはハヤ、鮒、鯰、下流の汽水域には、クルメサヨリ、エツ、鰻、ボラなどがいる。そして上流から下流までの間、その地域ごとに漁業権が設定されており、それぞれの漁業組合は、このような看板を設置している。

 看板は、有明海河口から約23kmの筑後川左岸地点、金丸川を背にして立っていた。釣りの時間帯が、日の出から日没とは知らなかった。筑後川の河川空間はなかなか広い。その広さが市民の人たちの憩いの場、健康の場、スポーツの場、レクリェションの場、そしてコミニュケーションの場も提供してくれる。

                                            
                              (H21.11.28) 古賀河川図書館                                    ページTOPへ

筑後川の看板(3)

                −あんたのいらんもんは 私もいらん−

 

 今の世の中は、大量生産、大量消費の時代だ。スパ−で、魚、肉、野菜、豆腐、天ぷら、ぎょうざを買っても必ずトレイやケースに包まれており、料理がすみ、食べ終わればこれらのトレイ等は不要物となって、ゴミとして処理される。昔は、昔といっても昭和30年ごろであるが、魚にしても野菜にしてもトレイなどはなく、新聞紙に包んでもらっていた。また、豆腐は自宅のポールに入れて買ってきた。ほとんどゴミはでなかった。
私が属している「NPO筑後川水の友」の会員は、年に4、5回筑後川のノーポイ運動に参加するが、トレイ、空き缶、ペットボトル等があっちこっちに捨ててある。拾っても拾ってもまた捨ててある。


 「あんたのいらんもんは 私もいらん 自分のゴミは持ち帰りましょう 松原ダム湖面環境推進委員会」。この看板は、有明海河口から93.5km地点の松原ダムに立っていた。ここに、「ドライブンまつばら」があり、「たかなめし」、「だんご汁」は美味しい。このドライブンにお願いすれば遊覧船に乗せてくれる。松原ダム湖には、のんびりと優雅な遊覧船が眺められる。あんたのいらんゴミは旅情を醸し出す遊覧船には似合わない。

 

これは自明のことであるが、ゴミの処分は市町村の費用で行われている。ゴミが多ければ税金の投入は増大することになる。結局自分に返ってくる。最近、ある福岡市議会議員さんと会食をすることがあった。そのとき、議員さんが言うには、「私は、料理は残しましぇん。全部いただきますよ。残すとな−、そのゴミ処理に税金がかかるもん。福岡市役所が困るもん。」私は、この議員さんの態度に感心。ゴミはだすな、捨てるなだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                             (H21.12.15) 古賀河川図書館

 

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筑後川の看板(4)

              −川をきれいにしましょう−

 平成10月25日、11月15日、筑後川・矢部川河川美化「ノーポイ」運動が行われた。筑後川河川事務所のホームページには、参加総数17700人(筑後川15700人、矢部川2000人)、収集したゴミの量約30トン(2トン車に換算すると約20台分)、その回収したゴミの内訳は菓子袋などの可燃物16トン(53%)、空き缶8トン(27%)、空き瓶4トン(13%)、その他自転車、ドラム缶など2トン(7%)と、掲載されていた。「体をうごかすことと環境美化の一石ニ鳥でとてもよい」という、参加者の声も載っている。筑後川を歩くと「ゴミを捨てないよう」にと、次のような、さまざまな看板が立っている。

        
        
        
        
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筑後川の看板(5)

                    −遊覧船のりば−

 

 筑後川にも沢山の橋が架かっている。有明海の河口より24.5キロ地点に豆津橋、その上流26キロ地点に長門石大橋がある。この両橋のほぼ中間の筑後川左岸沿いに水天宮が鎮座している。水天宮の大鳥居のまえに立ち、左側に筑後川河川敷に下りる門があり、ここに遊覧船入り口の看板をみて、門をくぐると乗船のりばとなっている。屋形舟で定員47名が乗れる。約90分、筑後大堰の地点から上流は久留米大橋の近くまでゆっくり、ゆつくり遊覧できる。食事と飲み物のないが、持ち込みは自由で宴会もカラオケ大会もできる。お手洗い、冷暖房完備、車椅子での乗船も可能。昨年の秋には、この遊覧船で結婚式も行なわれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                               (H22.1.30) 古賀河川図書館

 

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筑後川の看板(6)

                −くるめクリ−ンパートナー−

 

 やはりポイ捨てのゴミは気にかかる。久留米市は、パートナーシップで街の美化をはかる「くるめクリーンパートナー」という制度を設けている。公共施設の環境美化ボランティア制度である。個人や企業などの活動希望者は、道路、公園、河川などの公共施設のなかから活動範囲を決めて、くるめのクリ−ンパートナ−に登録し、定期的に清掃の美化活動を行なう。
 久留米市など行政と個人・企業者は合意書を取り交わし、個人等は清掃用具の貸与をうけ、ゴミ袋が支給される。ボランティア保険の加入がなされる。活動は年1回簡単な報告書を提出することになっている。「ポイすてのないまちに、この場所はわたしがきれいにします」 このような看板が筑後川流域に立っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                (H22.2.10) 古賀河川図書館

 

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筑後川の看板(7)

              −江川ダム湖のゴミ捨て禁止など−

 

 筑後川水系小石原川の上流、福岡県朝倉市江川地点に、江川ダムが完成したのは、昭和47年8月のことである。堤高79.2メートル、堤長305.47メートル、堤体積26.1万立方メートル、満水面積標高225メートル、総貯水容量2532.6万立方メートル、有効貯水容量2405.4万立方メートル、型式は重力式コンクリートダムである。

 

 完成から平成22年の現時点で、既に37年が過ぎた。その間両筑平野の農地5915ヘクタールを潤し、福岡都市圏、久留米市などの水道用水、麒麟麦酒の工業用水の供給がなされている。まさしく命の水がおくられている。この江川ダム湖の命の水を守るためにいくつかの制限が行なわれており、それが次のような看板で注意をうながしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(1)魚釣り・遊泳・ボート遊び出来ません(江川ダム)
(2)水源地を美しく(福岡市水道サービス)
(3)ゴミ捨て禁止(江川ダム)
(4)禁漁区域の案内(江川ダム)
(5)江川ダム水利使用標識(国土交通省)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                               (H22.3.7 古賀河川図書館)

 

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筑後川の看板(8)

−江川の水は都市住民の命の水です、水を守るともやおいかんばい−

 

福岡県朝倉市中心地から小石原川沿いに、東峰村へむかって進むと、下戸河内(しもとこうち)集落が見えてくる。その下戸河内集落の直上流に江川ダムがある。昭和47年8月に完成した。このダムの水は小石原川・朝倉市夫婦石地点から、また筑後川・久留米市高野地区から福岡都市圏などに水道用水として導水されている。福岡都市圏の市民たちにとって、まさしく命の水である。この看板は江川ダム直下、下戸河内集落の道路沿いに立っていた。

「江川の水は都市住民の命の水です、水を守るともやおいかんばい 下戸河内組合」

 

この看板の背景には、古処山、屏山、馬見山が連なり、これらの森林から美味しい水が生まれてくる。森林の手入れも水を守ることになる。甘木梨や山付のお米が収穫されるところである。命の水でつながっている福岡都市圏の市民と朝倉市下戸河内住民たちの上下流域交流は盛んである。

 

                             (H22.3.28 古賀河川図書館)

 

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筑後川の看板(9)

                  −大山ダムができるまで−

 

 平成22年3月3日筑後川水系赤石川に、独立行政法人水資源機構によって、建設中の大山ダム(大分県日田市大山町西大山地先)を訪れた。ダムはコンクリート打設の最盛期だった。ダム現場を見下ろせる所に次のような看板が設置されている。

 

 

 

 

 「ダムができるまで

 

 転流   川の流れを迂回路トンネルに切り替えます

 

 基礎掘削 ダムを造る場所の表面土を掘り岩盤の面を出します

 

 原石採取 原石山でダムコンクリートに使う石を採取します

 

 骨材(砂利や砂)の製造 原石山で採取した石を規定の大きさにします

 

 ダムコンクリート製造 バッチャ−プラントで骨材・セメント・水などを混ぜてコンクリートを製造します

 コンクリート打設  バッチャープラントで製造したコンクリートを打設します
 基礎処理      ダムの下から水が漏れないように岩盤に孔(あな)を堀りセメントミルクを注入します
 完成(試験湛水) 試験的に水を貯め、異常がないことを確認して完成です 」

 

大山ダムの諸元をみてみると、堤高94メートル、堤頂長370メートル、堤体積約55万立方メートル、総貯水容量1960万立方メートル、有効貯水容量1800万立方メートル、型式は重力式コンクリートダムである。その目的は洪水調節、既得取水の安定化・河川環境の保全、水道用水の供給を行なう。大山ダムは平成25年3月の完成に向って、工事が進められている。

 

                                 (H22.4.1 古賀河川図書館)

 

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筑後川の看板(10)

 

            ―下筌ダム・蜂の巣公園周辺の標示―

 

 筑後川水系津江川に、主に水害を防ぐ目的で下筌ダム(蜂の巣湖)が、昭和48年(1973)建設省(現・国土交通省)によって完成した。左岸は大分県日田市中津江村栃野、右岸は熊本県阿蘇郡小国町大字黒淵に位置する。ダムサイトの直上流左岸側蜂の巣公園から、湖面の眺めは情緒を醸し出してくれる。とくに春は桜、秋は紅葉の風景を楽しませる。ここ蜂の巣公園の周辺には、次のような標示が並んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

@ 蜂の巣湖桜まつり植樹の地
     野田自治会 福岡市(城南校区・野多目校区子供育成連合会)

 

A 下筌ダム飛来小鳥図  (中津江村)
     青さぎ、まがも、かるがも、かいつぶり、おしどり

 

B危い!!  (国土交通省筑後川ダム統合管理事務所下筌ダム管理所)
   「下筌ダムの貯水位は出水時には急に上昇することがありますので危険ですから河原に降りないでください」

 

B 筑後川水系津江川(下筌ダム)水域指定図(下筌ダム管理所)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Dダム湖をきれいにしましょう ダム湖に親しもう(建設省)
トーカン次郎

 

Eルール&マナーを守って楽しい釣りを!(津江漁業協同組合)
「遊漁料 アユ1日券2000円 コイ1日券1000円
ゴミはお持ち帰り下さい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Fコイの持ち出し及び放流等の制限について(大分県 大分県内水面漁場管理委員会)
「コイヘルペスウィルス病のまん延を防止するため、ここで捕獲したコイは、その場で放す場合を除き、他に放流したり水面に捨ててはいけません。また、個人の池等への持ち込みも控えてください。なお、この病気はコイ特有の病気で人に感染する心配はありません。」

 

                              (H22.4.1 古賀河川図書館)

 

 

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