水は命の源

近況報告とお礼(市民としての責任?)

                                   渡辺 尋志

 

 会員の皆様お元気でしょうか。

 

 私は、退職後にボランティアとして、小郡市のNPO法人「ワンハート陽だまり」の理事としての活動を続けてきています。

 

 この法人は、「こころの病」を持つ方たちの社会復帰を支援することを活動の目的としており、地域活動支援センター「ワークショップ虹」を運営しています。

 

 「こころの病」は、特別な病気ではなく、誰にでも起こり得る病気です。

 

 私たちは、人生を送っていく中で、なんらかの病気になったり、そのために“あたり前の生活”がしづらくなったりすることもあります。
 そのような時でも、病気になった本人も、その家族の方々も、社会から孤立することなく、自分のペースで、自分らしく、充実した生活を送っていける地域社会であることが大切なことだと思います。 

 

 そのためには、ノーマライゼーション(normalization:人はすべて同じ社会の一員として、その人格を尊重され、平等の権利を有するという社会のあり方)の理念が保障される地域づくりが必要だといわれています。
 私たちの思い、暮らし、そして、命が尊重される、あたたかくて、やさしい地域社会をつくっていくために、私たちは、何ができるかを考え、今後とも、地道に活動して行きたいと考えています。

 

 [心の病を持つ人たちは、疾病による機能障害からの能力低下・活動の制約、社会参加の制限など、個人因子・環境因子を含め様々な要因によって主体的活動が妨げられています。 

 

 しかしながら、就労支援や生活支援、一人ひとりのニーズや目標に応じた適切な支援を受けることさえ出来れば、地域社会のなかでその人がその人らしく、よりよく暮らしていくことが出来るといわれています。

 

 また 心の病を持つ人たちについて、まだまだ社会の中で正確な認識がなされておらず、事件が起こるたびに精神科に通院歴がある、などとマスメディアで報道され、心を痛めている多くの当事者がいることも事実です。

 

 現在、当NPO法人では心の病を持つ障害者のための地域活動支援センター「ワークショップ虹」を運営しておりますが、社会に対する精神障害者への理解と正しい認識を深めていくため、啓発活動の場としての機能も併せ持った障害者支援の拠点作りを目指さなければと考えています。

 

 障害を抱える方々が生き生きと暮らせる街は、すべての人々が暮らしやすい街となると思うからです。]

 

 地域活動支援センターとは心の病を持つ障害者の方の社会復帰と自立、社会参加の促進を図ることを目的として、「障害者自立支援法」の中で地域生活支援事業として位置づけられたもので、地方自治体が地域の実情に合わせて柔軟に実施するものです。
 地活域動支援センター「ワークショップ虹」は、近隣市町の委託を受けた当NPO法人が運営し、創作的活動や生産活動の機会の提供、社会との交流の促進等を目的に、地域の実情に応じ創意工夫しながら障害者のための事業展開をしています。

 

 NPOでボランティア活動をしつつ気づかされ、また勉強させられたことですが、近年の市民のニーズやさまざまな社会的課題が個性化・多様化し、一方で市町村の財政難も顕在化し、行政への一方的な要求や行政任せでは対応できなくなってきているようです。

 

 こうしたなか、市民一人ひとりが自ら考え、行動し、主体となって大切な町を守り育てていくことが求められているのではないでしょうか。

 

 これまでも行政と市民は協働により、様々な課題に対応してきましたが、互いの間には「してもらう・してあげる」という意識が感じられました。しかし、新しい協働関係を望むとすれば、それぞれに何ができるかを自覚し、コミュニケーションをとりながら、互いの立場やできることを確認しあって取り組んでいく必要がありそうです。

 

 そのためには、市民、市民活動団体、事業者及び行政が、互いの思いを受け止め、認め合い、ともに考え行動するという意識を持たなければなりませんし、市民と行政が、それぞれの特性を生かし、共通する目的のため、対等なパートナーであることを認識しながら活動することが必要でしょう。

 

 これまでの社会においては、公共的サービスは、行政が担うべきという意識が市民にも行政にもあり、時代の変化とともに多様化する市民ニーズに対して行政サービスが肥大化していく傾向にありました。しかし、近年の少子・高齢化の進行や環境問題など、さまざまな課題に対して、全てを税金による行政サービスで行うべきか、また、常に公平・公正を基本とする行政が、個性化、多様化するニーズの全てに対応できるかが、問われる時代となってきたようです。 

 

 市民協働を進める前提としては、市民、市民活動団体、事業者及び市の四者が、それぞれ相手の特性を理解し、尊重した上で、共通する課題や社会的目的の実現のために、それぞれが独立、自立した存在として、対等な関係を維持しながら市民協働を進めていくことが重要となります。
 市が市民活動団体との関わりの中で、必要以上に干渉したり、支援したりすれば、上下関係や従属意識へ変質してしまう可能性が生じます。 一方、市民活動団体においては、市からの支援に過度に依存することなく、自立して、目標に向かって活動していくことが必要でしょう。(これが難しいのですが)

 

 地域社会を構成している最小の単位は市民です。市民活動団体の構成員も、事業所の社員も、また市の職員も市民であり、こうした市民一人ひとりが、地域で生活しながら、住み良い地域社会をつくっていくものと考えます。
 市民活動の第一歩としては、自分たちのまちや地域に対し関心を持つことで、そして、小さなことでも、メンバーの一人ひとりが「自らができることは何か」を考え、行動していくことが大切でしょう。
 また、市民一人ひとりが市民活動や市政に参加すること、あるいは、協働する意識を持つことは、これからの「まちづくり」において欠くことができない市民の重要な役割ではないでしょうか。
 「自分たちのまちは、自分たちの手で支えていこう」という市民の力が何よりも必要と考えます。

 

 最後になりましたが、先日来、会員の皆様がたには「島原ソーメン」の販売について多大のご協力をいただき、誠に有難うございました。販売額の一部を当NPO法人の活動資金に充てさせて頂きます。なお、10月以降となりますが「うどん及びちゃんぽん麺」の受託販売を再度、計画しておりますので、皆様方の再度のご協力を宜しくお願いいたします。

 

 

 追伸、地域活動支援センター「ワークショップ虹」のホームページに御来訪ください。